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岩本 信之
EPJ Web of Conferences, 111, p.03002_1 - 03002_5, 2016/03
被引用回数:1 パーセンタイル:65.9(Nuclear Science & Technology)放射性同位元素であるTcとIは核分裂生成物の中でも特に重要な核種と考えられている。それは長半減期(それぞれ21.1万年及び1570万年)という性質に加えて、熱エネルギーでのUにおける累積核分裂収率が大きいためである。これらの放射性廃棄物処理処分にとって中性子捕獲反応は重要な核変換反応の一つと見なされている。それらの捕獲断面積及び共分散データは環境負荷に対する低減効果及びその不確定性を評価する上で、必要不可欠である。本研究では、核反応計算コードCCONEと共分散評価コードKALMANを用いて、keV領域の捕獲断面積とその共分散評価を実施した。この評価では核反応モデルを構成する光学ポテンシャルや線強度関数、レベル密度モデル等に関する50以上のパラメータに対する不確定性を考慮し、共分散を導出した。講演では得られた結果について詳細を報告する。
片倉 純一*; 湊 太志; 大釜 和也
EPJ Web of Conferences, 111, p.08004_1 - 08004_5, 2016/03
被引用回数:17 パーセンタイル:99.54(Nuclear Science & Technology)2011年にJENDL核分裂生成物収率データライブラリ(JENDL/FPY-2011)が公開された。このJENDL/FPY-2011を使用した崩壊熱計算は、実験データをよく再現することが確かめられている。その一方で、遅発中性子計算では、実験データを再現できないという報告があった。この問題を解決するため遅発中性子の感度解析が行ったところ、JENDL/FPY-2011のいくつかの核分裂生成物の収率に問題があることが分かった。その問題を解決するために、今回JENDL/FPY-2011の改訂を行った。その一つの例として、Uの熱中性子核分裂におけるGeの収率があり、改訂前の収率は6.277と大きな値を掲載していた。再評価と再計算の結果、現在は3.437となり、近傍の核分裂生成物の収率と比較して辻褄の合う値となっている。本講演では、再評価の方法や改訂された値について紹介を行う。
福島 昌宏; 辻本 和文; 岡嶋 成晃
EPJ Web of Conferences, 111, p.07002_1 - 07002_5, 2016/03
被引用回数:2 パーセンタイル:81.17(Nuclear Science & Technology)高速炉臨界実験装置FCAでは、1980年代に7つのウラン炉心(FCA-IX炉心)において、7つのTRU核種( Np, Pu, Pu, Am, Am, Cm and Pu)に関する核分裂率比が測定された。FCA-IX炉心では、燃料領域が燃料及び希釈材の単純な組合せにより構成され、その混合割合の調整により炉心中心の中性子スペクトルが系統的に変化しているのが特徴である。FCA-IX炉心に関しては、近年、TRU核種の核分裂断面積の積分評価に資するため、これらの核分裂率比に関するベンチマークモデルが整備された。本研究では、本ベンチマークモデルの適用例として、モンテカルロ計算コードによるJENDL-4.0の積分評価を実施した。解析値と実験値に有意な差異が示され、TRU核種の核分裂断面積の評価・改善に期待できることが分かった。